200515 ランダム
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少しずつ一歩ずつ

少しずつ一歩ずつ

耳のこと

【ぶーくんの耳のこと】

 ぶーくんの耳には難聴(感音性難聴)があります.4才のときから障害者手帳の6級をもらっています。子供のうちは状況が変わる可能性があるため、3年ごとに更新だそうです。
 難聴の原因ははっきりとはわかりません.産まれた時の状態が悪かったこと,強心剤など強い薬を使ったこと,黄疸もあったこと,NICU時代にも抗生剤など色々使っていることなど,何が原因になったかはわかりません.
聴力は,赤ちゃんの時のABR検査では左右とも60デシベル.
最近ヘッドホンをつけて左右別々に計った検査では,右が下がって90~100デシベルという値でした.

 難聴があることは,NICU退院前の検査でわかりました.
検査結果を知らされた日は,ショックで病院から家まで泣きながら運転して帰ったことを覚えています.
 その時は,60デシベルの難聴というものがどれくらいの聞こえなのか,補聴器をつければ聞こえるようになるのか,しゃべれるようになるのか....何もかもわからない事だらけで,先生や看護婦さんを質問ぜめにしてしまいました.面会のたびに色々と話しかけていた声も,歌ってやった歌もぶーくんの耳には届いていなかったのか,と,そのことも悲しくて悲しくて..

 その後,先生に教えていただいたところによると,60デシベルの聞こえというのは,健聴者が指で耳の穴をふさいだとき位の聞こえで,人の会話も近くならば音としては何とか聞こえるくらいだそうです.
 実際、今のぶーくんは、補聴器なしでも左耳の近くでわかりやすく(ゆっくりはっきり)話してやれば聞こえるようです。

 言葉の発達のためには補聴器をつけて聞こえの訓練をする必要があったため、修正10ヶ月のころから補聴器をつけはじめました.最初は片耳ずつ左右交互に,慣れたころから両耳に装用しています.最初使っていた機種はリオンのアナログ補聴器。今はワイデックスのデジタル補聴器ブラビッシモ(高度難聴用)を使っています。
 イヤーモールドの型をとるのが、初めのうちは本当に大変でした。本人にしてみれば、わけもわからず、耳に得体の知れないものを流し込まれるわけですから当然です。毎回、大泣きの大暴れで、ぐったりしてしまうため、1度に片方しか取れないということもありました。(今はこの型取り、ぶーくんは大好きです。「気持ちいい!」そうです)
 子供用のイヤーモールドは成長に合わせて作り変えていく必要があります。耳の穴とモールドの間に隙間ができると、補聴器がハウリングしてしまうからです。
 当然、耳の穴にあわせて(何と呼ぶのかわかりませんが、耳たぶの内側のくぼみの部分も覆うように)大きめに作るのが普通なのですが、病院ではじめて作ってもらったイヤーモールドはなぜかとても小さくて、本当に穴の部分にだけはめる形のものでした。当時、私もまったく補聴器のことを知らなかったため、それが当たり前だと思っていたのですが、今思うと、モールドが小さいせいで、補聴器はずいぶんとピーピー、ハウリングしていました。2つめのモールドはきちんとした形のものを作ってもらいました。



【聞こえの訓練】

 修正10ヶ月のころから補聴器をつけはじめ,週に1回リハビリセンターへ聞こえの訓練に通っていました.
 訓練といっても,この年齢では訓練されるのは子どもよりもむしろ親のほうでした.補聴器の扱いや,語りかけ方,関わり方などを指導してもらい,定期的な聴力検査,発達検査,補聴器のチェックをしてもらいました.

 日ごとに様子の変わる小さい時期に,週1回と頻繁に様子を見てもらえることは,今思うととても意味のあることでした.何か不安なことがあっても,次の訓練の時間に先生に話を聞いてもらえる,と心の支えにもなっていました.
 週1回のこの時間は,ぶーくんにとっては聴力の訓練というよりおもちゃで遊べて先生に本を読んでもらえる時間,私にとっては,日頃の発達・育児についての不安や疑問など,先生に話を聞いてもらえる貴重な時間でした.

 なかなか週1回通うことはできなかったし,集団訓練の時間にも参加できなかったのが心残りです.指導していただいたことも,双子育児にふりまわされて生かしきれなかったような気がします.

 その後引越ししてしまったため、今は、聴力検査はヒヤリングセンターで半年に1回、言語訓練は月1回ろう学校の教育相談という形で受けています。補聴器が故障すると、遠い街まで修理を頼みに行かなくてはないので大変です。


【リハビリセンターの先生に指導してもらったこと】

○話しかけ方
○呼吸や舌のコントロールに有効な遊びなど
○絵日記
○育児日誌
○行き先や予定を絵カードや写真を使って教える
○他...


【その他やってみて良かったと思うこと】

○ベビーカーで散歩しながらの語りかけ
  正面から顔を見て話しかけられないのが難点ですが,散歩しながら2人が見ているものについて,語りかけました.家の中と違って気が散らないので,落ち着いて集中して聞いてくれました.
  歩けるようになれば,歩いての散歩も木の実や葉っぱを拾いながらお話したり,と別の楽しみ方がありますが,ベビーカーでの散歩のほうが,より遠くへ色々なものを見せに行ける点も良かったです.

○とにかく親がしゃべりすぎと思うくらい語りかける
  「それとって」でなく「棚の上にある飛行機をとってちょうだい」などと助詞もつけて文章で,なるべくわかりやすい言い方で話しかけていました.
難聴があると、物の名まえなどが覚えられても、見えないことがらや、助詞を覚えるのに苦労するんだそうです。

○絵本の読み聞かせ
  赤ちゃんのうちから絵本を見せて読んでやっていました。2人とも、意味はわからなくても、はっきりした絵とリズムのいい文章は好きだったようです。

○ベビーサイン
  ほんの少しだけですが,話しかけるときに使っていました.2人も覚えて,いくつか使っていました.遊び感覚でコミュニケーションできるので楽しそうでした.

○童謡
  2人とも歌が大好きだったので,童謡の本を見ながら,よく歌ってやりました.そのほか,出先でカラスを見たらカラスの歌,ドングリを見たらドングリコロコロなど.


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